積極的分離とギフテッド


19.『人工的積極的分離法』の概要

2024年11月5日

当サイトでは、外部からの干渉によって、積極的分離(類似行為)を促すことを「人工的積極的分離法」と定義します。
あなたが知りたかったことかもしれません。

積極的分離に必要な要素

日本語による調査研究によれば、積極的分離に必要な要素は、下記と認識されています。

(引用開始)
TPD ではパーソナリティを発達させる発達可能性(Developmental potential: DP)として 3つの要因をあげている(Tillier, 2016)。1つめは生物的要因であり,自分でなければならないと強く感じる感覚,優れた知能や技能,そして OE があげられる。2つめは環境的要因であり,環境や社会の影響をさす。3つめは,Third Factorと呼ばれるもので,自己の理想的パーソナリティの発達に向けて自律的であろうとする強い動機づけである。
(引用終了)
ギフテッドと Overexcitability―肯定的分離理論を通じて― 日高茂暢 Jpn. J. Learn. Disabilit., 2023, 32(4), 244-250.

このうち、外部から干渉可能なのは、2番目に挙げられた「環境的要因」となります。

人工的積極的分離法の具体的なイメージ

人工的積極的分離の「具体例の1つ」は、『CHAOS;CHILD』(カオスチャイルド)というゲーム原作のアニメのなかで表されています。ただし、本作は猟奇的で残虐なシーンが他のものと比べてかなり多く、視聴はおすすめしません。
積極的分離に関係のある重要な概念「ギガロマニアックス」については下記の通りです。

(引用開始)
誇大妄想具現化能力者。自身の妄想を現実化する事ができる。ギガロマニアックスとしての素質を持つものが、極限状況の中で強いストレスに晒される事で能力が覚醒する。
(中略)
ギガロマニアックスは皆、渋谷地震で倒壊したノアⅡから飛散した粒子を浴び、素質ある子供が限定的に覚醒した不完全なものである。そのため今作のギガロマニアックスは全員が前頭葉の肥大化という共通点を持ち、またカオスチャイルド症候群に罹患している。
(引用終了)
Wikipedia

『CHAOS;CHILD』の世界観と現実世界との対比    
『CHAOS;CHILD』の世界観 現実世界
誇大妄想具現化能力者(ギガロマニアックス) 積極的分離中の者(実存的うつ、実存的危機)
極限状況の中での強いストレス戦争、虐げられた体験、天災、事故、事件(実体験だけでなく報道等によるものを含む)
前頭葉の肥大 該当事項不明。上記によるストレスのことか?(ただし、映画『バタフライエフェクト』でも同項目について言及あり)
崩壊したノアⅡから飛散した粒子 テレビ放送・歌謡曲・インターネット配信を通じた世論・メッセージ(比喩・暗喩・イメージを含む)
素質ある子供「OEを持つ」、「感受性豊か」、「感性が繊細」等の特徴を持った子供
限定的に覚醒した不完全なもの 積極的分離に起因する精神不安定(実存的うつ、実存的危機)
カオスチャイルド症候群 積極的分離に起因する精神不安定(実存的うつ、実存的危機)

「チャイルド」という言葉を使っていることから、「未成年」を指していると考えるべきでしょう。
作中では「カオスチャイルド症候群」は根治する可能性を示唆する設定となっています。対して、カイロプラクティックで「ブレインバランスプログラム」を提唱するロバート・メリロ氏によれば、18歳以上は脳構造の変化がほぼないことを理由に、18歳時点で鬱が根治しない場合は、一生根治しないという文脈になります。
「ブレインバランスプログラム」(カイロプラクティック)についてはこちら。→
実存的危機(実存的うつ)の対処法についてはこちら。→

人工的積極的分離法 3類型

これまでの当方の調査結果で、少なくとも3類型を確認しています。
A.体感に干渉するタイプ
B.想起に干渉するタイプ
C.「超人≒gifted」を発掘・育成するタイプ
ここで、カジミシュ・ドンブロフスキ氏がTheory of Positive Disintegration(TPD:肯定的分離理論)を研究するに至った動機をご覧ください。

(引用開始)
ポーランドの精神医で心理学者であるKazimierz Dąbrowski(1902-1980)は,親友の自殺や第二次世界大戦の体験を踏まえ,さまざまな困難の経験から既存の価値を新たに作り直し,利他的で価値のある自己であろうとする理想的パーソナリティの発達について研究を進めた。Dąbrowski が臨床観察を通じて作り上げたパーソナリティ理論を Theory of Positive Disintegration(TPD:肯定的分離理論)という。
(引用終了)
ギフテッドと Overexcitability―肯定的分離理論を通じて― 日高茂暢 Jpn. J. Learn. Disabilit., 2023, 32(4), 244-250.

このとき、『CHAOS;CHILD』の世界観をAとBの融合であると考え、さらに引用箇所を踏まえると、AとBは、初期のドンブロフスキ氏の研究結果に依存して考案されたと推測できます。
つまり、広く大衆に作用するが、激しい状態を誘発し失敗(実存的危機・実存的うつ)が非常に多いようです。たとえ失敗作が大量にあっても、長い目で見れば「時」が解決するため(失敗作が生物としての命を終える)、少数精鋭の「良作」ができればよいという考え方なのでしょうか。

BはAの背後で作用しています。わかりやすく言うと、Aの手法で「赤いリンゴ」という効果を期待する場合、まずはBによって、「赤色」のイメージを与えたあと、どこかで「リンゴのぬりえとクレヨン」を与える。すると、皆、赤いクレヨンでリンゴを塗る、という具合です。
別分野では、Bを「トリガーの埋め込み」と表現することがあります。

Cは欧州系結社のノウハウと思われ、変化は穏やか、成功率も高く、「良作」を生むが、ピンポイントでしか作用しないようです。日本国内で日本語で生活する以上は、文盲でない限り、必ずAとBの影響下にあると考えてください。

全体的な特徴として、AとBには「大衆(マス)」が反応、Cには「選抜者(エリート)」が反応。便宜上「選抜者(エリート)」と記載しますが、特に他意はなく「第1因子と第3因子を持つ者」という程度でお考え下さい。

人工的積極的分離理論が生まれた背景(私見)

当方は以前より、AとBについて、「積極的分離とは全く別の論点」としての調査をしており、同分野ではすでに一定の結論を得ています。
しかし、『CHAOS;CHILD』という作品が、AとBと積極的分離について言及している以上、これらの関係性についても肯定せざるを得ないと考えています。
その理由は、AとBに多次元的な存在意義が与えられている可能性を否定できないためです。
他方、Cについては「(人材発掘・育成を経て各国の)トップを選ぶため」という意図がはっきりとしています。認知科学者・苫米地英人氏のインタビュー記事をご覧ください。なお、当方が苫米地氏を紹介することについて、特別な意図はありません。

(引用開始)
苫「普通の人の煩悩は金と権力じゃないですか? 彼らはその両方をすでに持ってるのね。実際、ロックフェラーが言えば、大統領の首をすげ替えられるぐらいの権力を持ってるし、通貨発行権も持ってるわけです。もちろん彼らは、決してその権力を他人には渡しません。でも、運用を“任せる”ことはするんです。“煩悩を超えちゃった超人たちが全権力を握りしめて、あとは選ばれたまともな人間に世界を任せる”。これが彼らのいう《ニューワールドオーダー(NWO)》なんです。長い歴史の中で権力を欲しい人やお金が欲しい人たちが辿った悲惨な人類の歴史を見てるから、NWOのシステムが一番だと悟ったのでしょう」
(中略)
苫「まさにそうです。だから、世界政府をやってる人たちは、彼らの論理があるわけ。意外とまともな人たちで、“とんでもねえヤツに任せたら、とんでもねえことになるだろう”とわかっててやっている。意外とまともでしょ? “俺らの権力を運用するやつは俺らが選ぶぞ”って言ってるだけなんですから。だから、完全な『エリーティズム』なんですよ。あとは、それぞれの国の方式で、トップを選んでいく。アメリカは単純で“一番金を稼いだヤツ”。日本は中国式で、『科挙の官僚制』。だから、“各官僚のトップが首相官邸に行って官邸を動かして、その上に安倍さんが乗っかってるだけ”ってのは、ロックフェラーたちが描いてる絵なんです。安倍政権は簡単にいうと、《世界政府の一部》なの。で、俺はその絵が根本的に嫌なの。彼らの言ってることも理解はできるんだけれどね」
(引用終了)
TOCANA 好奇心の扉 ロックフェラーの茶飲み友達・苫米地英人が語る「本当のニューワールドオーダー(NWO)、新世界秩序設計計画」(康芳夫対談)

  • 実存的危機(実存的うつ)の具体的対処法はこちら→
  • 積極的分離「後」の様子はこちら→