脳科学編


2.OEとオンデマンド配信の罠(澤口先生の教育相談より)
~「ギフテッド2E」は作られた?(私見あり)

2024年5月23日

ご縁があって、HQ(Humanity Quotient)論提唱者である脳科学者の澤口俊之氏とお話する機会に恵まれました。
澤口氏は、主に「講演会」として、脳科学的な最新の知識を提供する活動をしています。
また、「教育相談」という形で、若年層の発達の問題に関し個別具体的な解決策を提示しています。

どの遺伝子を発現させるかが重要

遺伝子の発現には、環境が大きく影響するとしています。遺伝子のプロモーター領域が作用する割合は、一般人が予想する以上に高いようです。
脳の発達については、8歳前後である程度完成してしまうことから、未就学までの環境が一生を左右するほどの影響を与えるということでした。

オンデマンド配信の危険性

オンデマンド配信とは、ユーザの要求に応じてコンテンツを提供するサービスのことです。YouTubeに代表されるインターネット上の多くのデータ配信サービスはもちろん、最近では学習教材でも同じ方式を採用していることがあります。
「自分が好きなものだけを見る」「自分が必要なものだけを見る」「それ以外はチェンジする」がオンデマンド配信の特徴です。しかしこのような行動は脳全体に影響を与え、最終的には「自分指向の社会参加が困難な傾向の人間」を作り出すとのことです。そして、それは当然、知能指数検査の数値にも影響を与えるようです(例えば、気の乗らない検査について脳が集中できない・・等)。
現実世界では、好きなものだけを見ることはできず、必要な事だけをするわけでもなく、ましてや簡単にチェンジできないことばかりなのにもかかわらず、脳がオンデマンド方式に適合しているのであれば、困難は当然とも思われます。
若年層では、たとえ1日1時間の利用であっても影響を受けるようです。

「ギフテッド2E」は作られた?(私見)

もしかしたら、いわゆる「ギフテッド2E」の「一部」は、人工的に作られたものと考えてもよいかもしれません。
OEが何らかの知的活動に使われた場合、情報収集の手段として、YouTubeをはじめとするインターネット上の情報を使うことは容易に予想できます。
さらに知育教材はもちろん、今や図鑑などの書籍にも知的好奇心を刺激するDVDが付いています。知的好奇心を刺激するテレビ番組もたくさんあります。好きなDVDや番組ばかりを選択的に見ていれば、それはもうオンデマンド配信と同等といってよいのではないかと思います。
若年であればあるほど影響は強いということから、学童期にはすでに脳全体が影響を受けており、それが生来のOEと合わせて自分指向でのみ発現することは大いに起こり得ます。
「ギフテッド2E」という言葉で表される状態の「一部」は、これを指しているようにも思われます。

「ギフテッド2E」と括ることは簡単だが・・・

複数のブログ等を拝見した結果、「ギフテッド2E」という診断名を得て、保護者も本人も満足し、特別支援を受けている方が多いように見受けられます。
しかし、もしOEを自分指向(利己的)にばかり使っているのだとしたら、それは「ギフテッド」と呼べるのでしょうか。

「ギフテッド2E」に対する解決策

この分野では「低年齢であること」が解決時の条件となっています。
知性OEに対しては、インターネットや映像ではなく、実物(自然物、動物園、水族館、博物館、美術館等)を第一選択とするしかありません。
既に前述のような「ギフテッド2E」状態の場合には、澤口氏の著書に具体的な脳機能回復法がありますので、お読みになって試されることをおすすめします。年齢が増しても多少なりとも有効と思われる方法もあるようです。