4.グルテン・カゼインフリー食(体験談あり)
2025年6月17日本稿を読む前に
現在、栄養療法関係の書籍が多数流通しておりますが、特定栄養素の摂取量については、医師の診断のもとでご決定いただくことを強くお勧めいたします。一般的に、鉄や脂溶性ビタミン(ビタミンA,D等)の過剰摂取は問題として認識されており、詳細な血液検査にて定期的に管理されるべきものだからです。
また、当方が独自に入手した情報から、相当量を摂取しても問題ないとされている水溶性ビタミン等についても、摂取量、摂取期間、摂取方法について、疑問の余地があると判断しています(なお、これは医学的な公式見解ではありません)。
情報のご利用は全て自己責任でお願いいたします。本稿が原因で読者の健康に何らかの不利益が生じても、当サイトは一切の責任を負いません。
グルテン・カゼインフリーとは
グルテンとは、小麦などに含まれるタンパク質の名称で、カゼインとは、牛乳に含まれる主要タンパク質の名称です。これらを排除した食事はそれぞれ「グルテンフリー食」、「カゼインフリー食」と呼ばれています。
グルテンやカゼインが不調を引き起こす?
グルテンやカゼインは、人間にとってタンパク源の1つであることから、急性のアレルギー反応がある場合以外は、成長期の若者に対する安易な判断による除去はおすすめできません。ただし、血液検査等で遅効性のアレルギー反応が認められた場合は、適切な形で消化吸収されておらず、腸から漏れて本来とは異なる形で体内へ放出され、様々な不調を引き起こす「リーキーガット症候群」になっていると考えられています。
世界的に有名な話として、テニスプレーヤーのジョコビッチ選手がグルテン不耐症であったため、食事を変えたところ、大変パフォーマンスが向上したというものがあります。
グルテンについては、在来種の小麦と遺伝子組み換え小麦を比べた場合、遺伝子組み換え小麦のほうがアレルギー反応が出やすいと主張する説もあります。
また、カゼインは脳の血管に入りこむ可能性が指摘されており、一種の快楽物質となり、中毒症状を引き起こすと主張する説もあります。
グルテン・カゼインフリー食品の実際
グルテン・カゼインフリー食にしたければ、古式醬油を用いた完全和食とすればよいのですが、やはり欧風の味が恋しくなってしまうと思います。そこで、様々な市販品が開発されています。
例えば、グルテンフリー食品として、米粉を用いたパン、ケーキ、クッキー、粟やきびを用いたパスタが挙げられます。小麦が含まれている食品は意外に多く、カレールーやシチュールー、醤油にも含まれています。カレールーやシチュールーについては、米粉や豆粉(ひよこ豆など)で作られたものが売られており、一般的なスーパーで入手可能です。
カゼインフリー食品では、牛乳を豆乳やアーモンドミルクに置き換えたものが多いです。食品専門店では、植物性の材料を使って作られたグルテンフリーチーズも売られています。
ただし、大豆系の食品については、女性ホルモン類似作用が主張されていますので、その摂取量については慎重に吟味する必要があります。
つまり、清涼飲料水のように豆乳を飲むことや、毎食大豆製品を食べることはよろしくないかもしれない。
グルテン・カゼインフリー食の体験談
当方は、アレルギー検査を受けておりませんが、パン食やうどん食の後は決まって頭痛と眠気があり、市販のカレールーを食べれば胸やけがします。そのため、平日はグルテンフリーの食事を心がけています。個人的な体感としては、完全和食に近い方が、頭は明晰になり、体も若干軽いように思いますが、個人差があるものと思います。なお、洋菓子などの嗜好品や飲食店での洋食に関しては、お付き合いもあるので、制限をかけていません。遅効性アレルギー傾向の場合は、常食しなければ大きな問題にはならないようです。
体験談なので、個人的な感想を書きますが、小麦粉を米粉に置き換えた場合、味がさっぱりします。そのため、小麦製品特有の「しつこい味」を期待して食べると、物足りない感じがすると思います。また、粟やきびで置き換えた麺類は、冷麺に似た触感なので、これも小麦の雰囲気を期待すると違和感があると思います。
小麦粉は加熱したときにグルテンに変化が起こるのですが、この時の香りにどうも独特の魅力があるように思います。この香りは、米では出せないようです。
牛乳もおおむね同様で、味にボリュームを期待して飲むイメージです。牛乳については、無性に飲みたくなる瞬間があるので、やはり何らかの依存性があるのかもしれません。学校給食で熱心に牛乳を配布している背景を考えたほうがよいかもしれません。
牛乳には独特の甘味があり、これは豆乳にはありません。そのため、市販の豆乳飲料では、甘味を添加しているものが多いようです。
参考までに、災害用の非常食として近隣の公立小学校に配備されているのは、「ミネラルウォーター」と「乾パン・氷砂糖」に加えて、「アルファ化米」と「米粉クッキー」でした。
これは、グルテンフリーやカゼインフリーという論点ではなく、急性小麦アレルギーへの配慮と思われます。


