栄養療法編


1.分子整合栄養医学

2024年5月3日
2024年6月17日(追記)

本稿を読む前に

現在、栄養療法関係の書籍が多数流通しておりますが、特定栄養素の摂取量については、医師の診断のもとでご決定いただくことを強くお勧めいたします。
一般的に、鉄や脂溶性ビタミン(ビタミンA,D等)の過剰摂取は問題として認識されており、詳細な血液検査にて定期的に管理されるべきものだからです。
また、当方が独自に入手した情報から、相当量を摂取しても問題ないとされている水溶性ビタミン等についても、摂取量、摂取期間、摂取方法について、疑問の余地があると判断しています(なお、これは医学的な公式見解ではありません)。
情報のご利用は全て自己責任でお願いいたします。本稿が原因で読者の健康に何らかの不利益が生じても、当サイトは一切の責任を負いません。

1950年代頃から広まり、科学者ライナス・ポーリング氏、精神科医エイブラハム・ホッファー氏によって、初めて学問として取り扱われるようになりました。
体の不調に対し、投薬や手術等のアプローチではなく、細胞にとって適切な栄養環境を用意することにより、正常な細胞分裂を行わせるように仕向け、結果として不調を解決する療法です。
考え方の前提として、適切な栄養環境は個人により異なるとします。また、単に生存するために必要な量と適切な量は異なるという見解です。
当サイトでは、OEを発動するには高エネルギーを要し栄養的欠乏が生じている、あるいはOEの発動そのものと酵素の量や種類が関連している可能性があると考えています。
あわせて、体内ストレスを特定し、取り除いておくことも重要と考えています。

体内ストレス「リーキーガット症候群」を解決

日本語では腸管漏出症候群といい、腸の細胞の一部が傷つくことにより体内に取り込むべきではない物質が取り込まれてしまう症状を指します。大抵は、脳を含めた全身に回り、不調が生じます。
具体的対処法としては、腸内環境を整えることが挙げられています。

体内ストレス「アレルギー」を解決

花粉症や食物アレルギーによる蕁麻疹のように顕在化したものだけではなく、遅効性アレルギーについても言及されます。
特に、乳製品・小麦製品については、特定のタンパク質分解酵素が働かないために、アレルギー判定が出る場合があります。
具体的対処法としては、アレルギー反応の出たものから一定期間距離を置くことが挙げられています。成人に近づくにつれ、分解酵素が得られた場合は解決するようです。

ビタミンCで脳のストレスを調整

糖代謝でエネルギーを作る際やストレスがかかる場合に、ビタミンCが消費されると言われています。
ビタミンCは、脳や神経系にとって重要な化学伝達物質やホルモンの生成を促すことから、ストレスや不安の軽減につながる可能性が指摘されています。
ビタミンCは水溶性で尿に排出されることから、多めに取りすぎても問題にはならず、分子栄養医学では、高用量摂取(1回1,000mg~)が推奨され、低用量では効果がないとされます。

ヘム鉄で遺伝子の正常な発現を促進

分子栄養医学ではクエン酸回路(TCA回路)を回してATPエネルギーを作り、遺伝子通りの細胞を作ることに重点を置きます。この回路では「酸素」が必須です。
酸素は赤血球を通して運ばれることから、赤血球内のヘモグロビンの材料として、鉄が必要であるという結論となります。
厳密には、銅を通して鉄がヘモグロビンに運ばれるようですが、銅は日本人の食生活では充足する傾向があることから、あまり問題にはならないようです。

低血糖症対策で脳のエネルギーを確保

低血糖症とは脳が低血糖状態になり、働きが悪くなることを指します。コルチゾールの分泌量で判断するようです。
対策として、タンパク質を中心に少量の頻食を行うことが良いようです。

分子栄養医学は敷居が高い?

分子栄養医学を取り扱える医師は、国内では数えるほどしかいません。
混合診療が禁止されている日本では、基本的に自由診療での取り扱いとなります。サプリメントも保険適用ではありません。

「メガ栄養療法」に関する注意喚起

適切な栄養環境は個人によって異なることから、通常は医師管理の元、詳細な血液検査を実施したうえで補う栄養素や量が決定されます。
栄養素の中には、体内に蓄積しすぎると不都合が生じるもの(例えば鉄)があるため、書籍などで「ATPセット」などと紹介されている量を自己判断で摂取することについて、当サイトではおすすめしておりません。