脳科学編


番外2.私立小学校とギフテッドとOE

2024年6月14日

本稿の信憑性を高めるためにあえて詳細情報を書いておきますと、当方は、首都圏の私立小学校の卒業生です。 ミッション系の伝統校で、姉妹校からは皇后が2名出ています。

「君たちは選ばれた生徒のはずなのに・・・」

入学試験を行っているのですから、学校側のお眼鏡にかなった生徒が集まっているはずなのが私立小学校です。
実際に母校では、全科目において、「講談社ブルーバックス」程度の教養を踏まえた授業が展開されていました。これは、小学校時代の教養に英語を加えれば、一般的な私立大学の文系学部が、全て合格してしまうレベルです。
そういった状況にもかかわらず、冒頭のような残念なセリフが教員から聞かれる。その意味は、「大学受験時の成績が小学校6年時点の成績に比例していない」という一種の嘆きです。
某教員がふと漏らした本音が気になり、12歳のあの日から、毎日ずっと考え続けているのです。

私立小学校の「ギフテッド」

成績優秀な彼女の創作物や作業風景には一種の世界がありました。今風の表現で言うと、『葬送のフリーレン』のような世界を創作物として現実に創造している感じです。彼女にとって母校は、決して満足いく環境ではなかったのかもしれません。「ギフテッド」とはそういうものです。
私と彼女の接点の1つは、この絵画。→

「ギフテッド」のその後

彼女は地元を離れ、長らくアートを中心とした表現活動をしていましたが、ごく最近、政治家となっています。
当方も積極的分離後は、ある業界団体に籍を置いています。ここは当然、政治家が頻繁に訪ねてくるような環境ですが、ある種独特の魅力があります。

私立小学校とOEの相性

多くの学校の入試内容は、正常発達領域の比較的高知能を集める設定となっており、OEが使えるものを集める設定にはなっていません。しかし実際には、日常的にOEを使える者が入学しています。母校の例を挙げれば、90名の入学者に対してギフテッド1名、日常的なOE使い10名弱程度。
OE使いはそもそも文部科学省の学校教育が想定をしていない存在なので、私立小学校といえども学校教育法の下では想定の範囲外と思われます。OE使いは、ある程度の知能をセットで持っていないと不利なポジションとなります。
学校では、知能を発揮し、鍛え、評価する場面は多々あるが、OEを発揮し、鍛え、評価する場面はほとんどないからです。

「君たちは選ばれた生徒のはずなのに・・・」の真意

私立小学校は、旧制や女学校の流れをくむ学校法人が多く、大学を持たないところが多いです。よって大学進学実績を気にせざるを得ないという事情があります。
興味深いことに、ほぼ全員が系列大学に進む附属タイプの小学校の卒業生もまた、同様の見解でありました。こちらは、保護者が附属大学進学の強い希望を持っており、結果として大学入試に必要な科目の「学力」を重視するためのようです。
どの私立学校も、公立学校と同様、OEの取り扱いを理解している保護者や教員が少ないようです。
OE資源を理解する教員からすれば、ギフテッドと日常的なOE使いが、私立学校でspoileされていると見えるのかもしれません。あるいは、高知能ではない、ただの早期発達児が相当な数、入学を許可されていることを示唆しているのかもしれません。